金曜日。
今週もありがとうございました。
今年は不思議なコト、不思議な時間が多いです。
昨日もそんな感じ。
18年振りにルーテナント・スティッチーと再会。
18年前に『BEST OF MI』を以前の会社でリリースさせてもらって、独立する前の24x7としてでしたけど、その時以来。
そのタイミングで駆け出しの頃のルーキー・D、ジャマイカのサウンドのレナサンスのスター・セレクターだったデラーノと一緒に来日ツアーもしてました。新宿のリキッド・ルームも、大阪のジョグリン・シティも現在はないです。
あと、そのリリースの直後に、ジャマイカでもリンクして、キングストンを連れ回してもらったり、ヘルシャイア・ビーチでロブスターをゴチしてもらったり、ビーチに近い自宅に招いてもらったりしました。
以来、連絡を取り続けてはいましたけど、会うのはその時、その年以来でした。ジャマイカでも「ツアー中」とかで会えないことも多かったしました。
あと、直接仕事してなくて、他のアーティストとかの仕事で行っている時に会うのが少し気が重いと言うか、連絡しづらくもさせてました。自分にとっては、色々と教えてくれた師匠の一人でもあって、その師匠に対して「アナタではなくて、他のアーティストとの仕事で来ているんですよ」とは言いづらかったりもします。気が小さいのもあります。
ホントは今日の夜の東京公演で会う予定でした。ただ、それに「行けない」とわかった 時点で、「取材・インタヴュー」を理由に招聘している方に連絡して、昨日に時間を割いてもらいました。ただ、「会わないといけないんだ」とは思っていました。理由はうまくわからないままに。
スティッチーがその場に自分が来ると知っていたかは行くまでは知りませんでした。来日してから直接スティッチーにも連絡は取ってませんでした。
あと、随分前の最後のスティッチーとの電話のやり取りの中で、少し色々とあって、そんなにいい終わり方ではなく、少し「誤解したかな?」「ちゃんと伝わったかな?」と自分としては後味が悪いものとして気持ちに残っていたので、「何しに来やがった」と言われたらどうしようかな、とか思ってました。それでも「会わないと」と思ってました。なんかよくわからないままに。
ただ、出向いたホテルのロビーで、時間を割いてくれた招聘の方が先に現れて、「スティッチーが会うコトを楽しみにしてましたよ」と言ってくれて、「ああ、自分が来ることをスティッチーは知っていたんだ」 「そう思っていたんだ」「それは良かった」と思っていたら、突然ロビーにスティッチーが登場して、「あっ」。18年振り。再会。
ソファーから立ち上がりつつ、少し言葉が出ないでいたら、まっすぐに自分の目を見て、まっすぐに近づいて来て、そのままハグされて、「よく来てくれた」「会えないかもしれないと思っていた」「もう会いたくないと思っているのかと思っていた」と耳元で言われました。
ホントは「一時間でお願いします」でした。ホントは「インタヴュー」でした。ただ、そうはなりませんでした。
自分とスティッチーが話している内容を聞いていた招聘の方は、次の予定を全て一時間ズラしてくれました。あと、席をハズして自分とスティッチーを二人だけにしてくれました。その気遣いに感謝すると同時に、彼女だけではなく、予定をズラされて迷惑を掛けてしまった多くの皆さんに「申し訳ありませんでした」。
色々な話をしました。スティッチーは現在もフロリダの大学で非常勤講師だったりしますけど、もともと先生を目指していた人で知的です。80年代から世界で、メジャーで活動していましたから、見識も経験も豊富です。クリスチャンとしての思考も加わって、時に内容は複雑にもなります。
「18年振り」は不思議な感じでしたけど、18年会っていない感じは全くしませんでした。18年前の思い出話をすることなく、延々とお互いの「現在」を話し合ったからかもしれないです。「未来」の話もしました。
で、そうできるコトを嬉しく思いました。正直に、そのままに話せたコト、それをそのままに受けとめてくれるコトも嬉しかったです。そうできるようになったのが、もしかしたら18年間での自分の成長かもしれません。18年前はそうではなかったです。
あと、それは至極個人的なコトなので全てアレしますけど、とにかくグッときてしまう言葉が大量でした。それが自分の感情を少し面倒クサくして、好きなんだけど、チト苦手な感じにもさせられて、なんかそういうのを誤摩化したくて、「コレに」とサインとかしてもらいました。
ええ、18年前にサインしてもらった『BEST OF MI』にもう一度サインしてもらいました。スティッチーは「俺も若かったなー」とジャケットを見て笑って、18年前に書いた自分のサインり言葉とかを確認してました。「違う言葉を書こう」とサインしてくれるのを見ながら、「ああ、この瞬間も自分のベストの一つじゃんか」とタイトルと掛けて思ってました。
「今度はそんなに期間空けないで会おう、18年でなくて18ヶ月後だ、いや18日、18時間後だ」とスティッチーは笑いながら言って、握手して別れました。
別れる時に「動画見ておいて」と言われた動画を事務所に戻って確認しました。今年の「REBEL SALUTE」でのスティッチーのライヴ動画です。
LT.STITCHIE - REBEL SALUTE 2014
http://youtu.be/G4nljP-vqn0
さっきまで会っていたスティッチーとは別人に見えました。あと、改めてその凄まじい話芸、ストーリー・テラー、リリックで徐々に盛り上げて、オチで沸かすダンスホール芸に「スゴ過ぎる」と。18年前に自分が「リリースしたい」と思った理由がそのままありました。
それを現在もそのままキープしているスティッチーが「スゴっ」なんですけど、なんかそれをそのまま「スゴっ」と現在でも思う自分に「ソレでいいのだー」とスティッチーが言ってくれているようにも思いました。「ああ、だから見ておいて」なのか、と。
また背中を押してくれてありがとうございます。
再会できて良かったです。
素晴らしい時間をありがとうございました。
感謝しています。
そんな感じ。ではでは。