2012.08.17 Friday
『STEELY & CLEVIE'S LEGACY TOUR』に期待するコト。
金曜日。
一週間前のコトか。
先週の今頃は「明日の『ハイエスト・マウンテン』に行けるのか?」とドタバタしていたハズ。あのドタバタも当日の移動の大混乱も大阪で観た景色も先週のコト。「早っ」なのと「少し前のコト」が入り混じった変な感じ。
で、「ハイエスト・マウンテン」の会場で会った某同世代関係者に「行くの?」と聞いたら、「そんなのあるんですか? 知らなかった」と言われて、 「えっ?」となったのが、二週間後には始まっている「スティーリー&クリーヴィ・レガシー・ツアー」。まっ、公演が東京のみで関西在住の彼には伝わってなかったのかもしれませんが、情報に敏感な性格を思えばチト意外にも思いました。また、「ちゃんと伝えないと」です。反省。
で、改めてですけど、公演は30日〜1日まで東京・丸の内のコットン・クラブで開催されますので、是非ヨロシクです。6公演あるので日時の合う日に是非。最終日の1日はスティーリーの命日でもあったりもします。詳細は以下で。ウチも関連作品に関与していることから本公演を協力させて頂いてます。
http://www.247reggae.com/vp/news/12062.html
で、「ツアーって、実際に何をするんですか?」とは前出の彼にその会話の中で聞かれたコト。
まっ、確かに、スティーリーは亡くなっているので「スティーリー&クリーヴィ」として来日できるハズはなく、そもそもプロデューサーであってもマイクを握ったりするアーティストではないので、「どんなショーをするのか? どんな内容になるのか?」と思うのも当然かもしれません。
で、自分も内容を確認はしてません。楽しみが減るようなコトをわざわざ自分から確認したりはしません。ただ、90年代にスティーリー存命中に実施されたスティーリー&クリーヴィとしての来日公演の記憶と二人の経歴を考えると勝手に想像はしています。
えー、世代によってスティーリー&クリーヴィに対してのイメージは違うと思います。
日本人レゲエを中心に聴いてる人達には、プシンやリョー・ザ・スカイウォーカーの作品に参加していたジャマイカのトラック・メイカー&プロデューサー、かもしれません。
少し前からジャマイカのレゲエを聴いている人達にとっては、80年代中〜後半に〈ジャミーズ〉で数多くのデジタル・リディムを制作してヒット曲を量産、 独立して〈スティーリー&クリーヴィ〉〈スタジオ2000〉で90年代ダンスホール・シーンの中心的レーベル、プロデューサー、トラック・メイカーとして大活躍した二人組、かもしれません。
もっと前から聴いている人達にとっては、小学生や中学生の年齢の時からプロのミュージシャンとして活動して、リー・ペリーのブラック・アークとかで演奏していたり、スタジオ・ワン・バンドのメンバーとして活躍もしていたなー、かもしれません。
まっ、世代とか趣向によって色々なんでしょうけど、一般的にはVPからの作品タイトル『DIGITAL REVOLUTION』(=デジタル革命)とか、それに収納されているDVDで二人が電子楽器でリディムを作ったりしているのを紹介しているので、「デジ タル二人組」なイメージが強いのかもしれません。
でも、前記した通りに、自分は他のオッサン・マッシヴと同様に、二 人が生身のミュージシャンだったことは知っていて、二人にその経験と知識があったから、それをデジタルに、レゲエに適確に変換することも出来たんだと想像 もできます。ええ、スライ&ロビーと似てます。で、スライ&ロビーと共通するのは、「デシタル」を導入したからといって、決して「前へ前へ」と斬新さみたいなものだけを追究するだけでなく、自分達が年少期から聴いて、観て、演奏して、身体で会得してきた過去のレゲエを現在にデジタルで再生することにももの凄く熱心だったことです。まっ、それがそのまま表れている作品が『PLAY STUDIO ONE VINTAGE』『OLD TO THE NEW』『MEMORIES』とも言えます。
で、そうしたスティーリー&クリーヴィの姿勢は〈デジタル・B〉のボビー・ディクソンや、〈ペントハウス〉のドノヴァン・ジャーメインにも通ずる部分で、そうした過去と現在を上手くブレンドできる同世代のプロデューサーやトラック・メイカーが同時期に登場して、同時に活躍したことがあの90年代初頭のダンスホール人気の背景には存在していたと思います。揃って「デジタル」を導入して進化・前進させていくだけでなく、過去のスタイルとスピリットを受け継いた音を作っていたと言いますか。
で、今回の公演ではクリーヴィはドラムを生でも叩くと思います。スティーリーの代わりにレンキーがキーボードを弾いて、スティーリー&クリーヴィのデジタ ルなヒット・リディムを生で演奏・披露してくれると思います。また、それだけではなく、きっと過去の往年のレゲエの名曲も生で再生して見せてくれると思います。
あと、ゲストとしてヘプトーンズのリロイ・シブルスが登場するのも、スティーリー&クリーヴィはヘプトーンズのヒット曲を、それこそ〈スタジオ・ワン〉期のヒットを90年代以降に何度もデジタルで再生して、新たなファン層に伝え直してきたことも有り (「Fatty Fatty」他)、両者の関係は親密だったりもします。「『80年代のデジタル革命者』で『ダンスホール』なイメージなのに、なんでリロイさん?」と思った人もいるのかもしれませんけど、そういう感じだったりするんです。
なので、この「レガシー」公演には、スティー リー&クリーヴィとしてのレガシー(遺産)を改めて伝えるだけでなく、その二人の活動を思うとレゲエのレガシー(遺産)をそれと共に生きてきて、亡きスティーリーの分も現在に奮闘しているクリーヴィが中心となって再生して伝えてくれるものになるのかな、と勝手に想像しています。で、その公演を相棒だった スティーリーへの追悼としようともしているのかな、と勝手に想像しています。
まっ、前記しました通りに、ウチも後援 の立場なので、「あー、宣伝くさー」と受け取られるのかもしれませんけど、それはそれとして、自分個人として「どんな公演になるのか?」「何をするのか?」「何を見せてくれるのか?」とずっとレゲエを聴いて来た者として、一人のファンとしてものスゴく興味を持っています。別にマジック・ショーではないですけど、「何が起こるか分からん」のを楽しみにしている感じです。てか、自分の場合、クリーヴィがドラム叩くのを生で見れるだけで「行く」ですけど。それぐらい好きで作品を通じて世話になってるし、楽しませてもらってますし。
まっ、長々と書いてますけど、一言で言えば「必見」で、「興味はあるけど、よくわからない・・」なぐらいの人こそに「観ておいた方がいい」とお勧めします。ええ、オッサンになると分かりますけ ど、その時にポカーンだったことが、後から「あっ!」となったりすることがたくさん有りますし、起こります。
ええ、 正直に言えば、ユーツ時代に初めて踊ってばかりのリー・ペリーのショーを観た時も、一時間以上MCしていたバニー・ウェイラー観た時も「ポカーン」でしたよ。どちらもニューヨークで時差ボケで寝落ちしましたよ。それでも後から「あっ!」はやってきました。漫画「トイレット博士」の「7年殺し」を思い出しま したよ(ユーツは検索)。あとダブもサウンド・システムも生体験で「あー、そーゆーコトかー」と録音物だけでは理解出来なかった部分を一瞬で気付いてきたりしました。うん、まっ、荒いけど「行けば分かる」で「いつか気付く」とか言っときましょ。
えー、長いです。とりあえず「行こ」でヨロシクです。
今週もお疲れ様&有り難うございました。さよならお盆。また来年。
で、来週もヨロシク。来週は色々とアップ予定なので注意ぷりーず。
そんな感じ。ではでは。